2月4日 ペロリン 現代の「たそがれ清兵衛」を農家レストランに垣間見る

 2月4日に「庄内地域グリーン・ツーリズム実践者情報交換会/山形県グリーン・ツーリズム推進協議会庄内地域委員会主催」が、櫛引町西荒屋公民館と同地区内の農家レストラン「知憩軒」を会場に開催されました。参加者は29名でした。
 前段で、株式会社プランニングメイサの齋藤多喜夫代表取締役から観光とマーケティングの話をしていただき、後段で、農家レストランの魅力を「知憩軒(ちけいけん)」さんで体感してきました。その際、ペロリンは、ここ庄内地方が舞台となった映画「たそがれ清兵衛」を思い起こすとともに、その気質を垣間見た思いがしました。

「21世紀の観光の目標」から
<ホスピタリティが「地域全体の資源に」>
 人々は今、わずらわしいと思って避けてきた個別に「カカワリ」を求めている。そのことを通し自分自身を理解し、地域を感じとろうとしている。
「人」でもてなす/観光関連事業従事者に限らずすべての住民が交流し、深い関わりを結ぶ用意が必要。
「しかけ」でもてなす/施設や設備、イベント、ルートやコース設定がもてなしの条件づくりとなる。
「環境」でもてなす/個人の家にお客様を迎える時に掃除したり、花を飾ったりするように、地域全体で観光客を迎え入れる環境整備が必要。
「情報」でもてなす/最も重要な情報媒体は人間であり、住民である。

講師の齋藤さん


櫛引町西荒屋公民館での様子

農家レストランの魅力と地域戦略
<農家レストランのマーケティング>
「媚びる」消費文化から「誇れる」生活文化
  ■都会の人が望んでいるのは非日常(=田舎の日常)。
■地域文化「食」の提案:「その土地ならでは」のものであれば遠くから人を呼べるし、さらに直売機能もあれば地元の人も呼べ、賑わいを創出できる。
■従来の「物の伝達」では他者と競合して価格競争に陥る。「物」だけでなく「考え方の伝達(地域文化と創意工夫)」をすることで大手企業が出来ないことをすれば、非価格競争が可能。
■出会いの積み重ね:単なる観光客から友人のような交流を。そのためには地域と自分の関わりを説明できるくらいのことが必要。
需要喚起・固定客化戦略
  ■不特定多数の観光客ばかりを当てにせず、地元の固定客をつかむことで観光のオフ・シーズンも安定経営につながる。
■人間関係の商品化:客を頭数で見るうちはダメ。顔を見ることが大事。パソコンによる顧客管理などで生涯顧客に。人間関係は進化することも退化することもある。
■農家レストランの場合は仕入れ販売と違って生産販売。特徴を出しやすいので、多品種少量型素材のメニューづくりを。

農家レストランの「知憩軒」に移動




長南さん(中央)の話に聞き入る参加者

農家レストラン「知憩軒」
「女性が担う家庭の平和/長南 光 」より
 掃除、洗濯をし、ご飯をつくる。そして田や畑で土を耕すという農村女性の当たり前の生活に明け暮れる一連の習慣を、何年繰り返してきたことか。祖母から母へ、母から娘へと受け継がれ、うんざりもせず、むしろこの日常が、いま手元に確かな息遣いとともに在ることがうれしい。
 ストーブの上のヤカンから湧き出る湯けむりが冬の寒さを和らげてくれるように、何気ない日々の営みが自分の身の丈にあった幸せだと思える此の頃は、これぞと思うものを探すより、今の自分に何ができるかを問いかけて、幼い頃からの記憶をたどり、粗食を常とした暮らしの中から折にふれ、事にふれ村の人たちと食してきた季節のあの味この味が脳裡をかすめた。 (中略)
 今は時間から追われる生活が日常となり、家庭の味が薄れていくばかり。何とも味気なさが残る現代社会の中で、せめて米や野菜をつくる農民として食の大切さを問いかけながら本当の豊かさを実感してもらうために、民家の一部を開放した住居空間で、母と娘の二人三脚で古き良き時代の味と新しい感覚をとり入れた食の発信をスタートさせた。
 あれも、これも、みんな身近にある食材ばかりが並んでいるのだが、畑で穫れた元気のいい野菜が、田んぼで育った粋のいい米がそれぞれの味をひきたてて客をもてなしてくれる。野の花は野にあるように客を迎え、人もまた人らしく予期せぬうれしい出会いに満面の笑みと感謝の気持ちで接していく。
 日本人のこころと体を育んできた味わい深い食文化や家庭の味、そして何よりも環境や健康を考えた食生活を、農業を通して発信できたなら地域を巻き込んだ活動へと広がり、やがて若い世代へと引き継がれる生きる知恵としての役割になってくれればとひそかに願っている。
 女性が担う家庭の平和が、地域の平和、さらには世界の平和にもつながるようにと新しい年への期待としたい。

宿泊も可能で、中には素敵な
展示スペースや茶室もあります。





家業として機織りもしており、
一部体験も可能。


つづれ織りの「土筆工房」


<本日の献立>
■前菜はヤーコンとミニトマト
■おにぎり
■味噌汁
■餡かけ胡麻豆腐
■しみ豆腐(「黒川能」で有名な櫛引町黒川地区の伝統料理。上座と下座で味が違うが、知憩軒風にアレンジしたものが出されました。)

ほかに、じゃがいもまんじゅう、弁慶めし、煮込魚、デザート(甲州葡萄ほか)がつきました。(1,000円)

 ペロリンは一年前に初めて「知憩軒」さんにおじゃまして、食事の他に機織り体験もさせていただきました。それ以来、今回で三度目の訪問になります。
 前段でお聞きした齋藤さんの話を、まさに地で行っていると実感するとともに、映画「たそがれ清兵衛」が今の時代に受けた理由と、どことなく共通するものがあるように思えました。


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