2月20日 ペロリン 「おいしい山形推進大会」を行く


 食の安全・安心と「地産地消」を考える『おいしい山形推進大会』が、2月20日に山形国際交流プラザ(山形ビッグウイング)を会場に開催されました。参加者は500名。
 JA高崎ハムの黒澤賢治さんの基調講演に続き、庄内地産地消サポーターでもある叶野幸衛さん(藤島町「サンサン・畑の会」会長/写真左)の基調報告、同じくサポーターの堀 周子さん(県指導農業士:酒田市/写真中央)や高橋和雄県知事(写真右)ら5名によるパネル・ディスカッション「安全・安心な県産農産物の提供と地産地消の推進について」が行われました。

黒澤さんの基調講演から
 群馬畜産加工販売農業協同組合連合会(JA高崎ハム)の黒澤賢治常勤理事・販売本部長さん(前 JA甘楽富岡農事業本部長)から、「地産地消を通じた地域農業・経済の活性化について」と題しての基調講演がありました。

□最近は地方発で「○○さんが作った△△、限定何個」というのがヒット商品の傾向。しかもこれらを選ぶのは  女性の消費者。21世紀は、実際に買い物をしている消費者でもある女性の生産者がキーポイントを握ってる。

□旬感野菜がコンセプト。鍋物にしろ、その地域の食材 で料理が賄えるという、「地域の食のコーディネート」が大事。群馬は米が取れないので、その分は他所のものを入れるが、野菜は地物が主流。山形の場合は米もあれ ば果物も肉も野菜も良い物が揃う。しかし売り方が下手。 成功事例を積み重ねることによって地域も変わっていく。

□一人前の産業になるために、農業はもっと努力が必要。 富岡では生産者の個別経営体の実態把握など、「地域総点 検運動」を展開。さらに、生産者自らが、いつ、どこで、いくらで、どれだけ売れたかを把握している。人口が少 ない地域ほど逆に生産量は多い。ここに地産地消の限界 がある。いかに外に向かって安心・安全を発信するか。 農産物のカタログも意外に少ない。

□農産物をいかにして売れる商品にするか。富岡では、 例えばレディース特派員制度とか、365日切れ目のな い生産と流通システム作り。消費者の声を反映した食べきりサイズの50gパッケージ導入。地元出身の有名人に応援団になってもらうこと。個々にしているパッケー ジを集約して、その分を増産に回すなどを行ってきた。

□販売事業の当面の課題は、消費者との接近、生産現場・消費現場のニーズの共有化にある。(食と農の共生)さらに将来的には、産地間競争の時代からIT化による産地間連携(特性を活かした産地づくりと全国リレー栽培体系の樹立)への転換が必要。



当日、配布された資料やパンフレット


ペロリンマークが使用されている各種商品の紹介コーナー

叶野さんの基調報告から
学校給食での地産地消の取組み事例を、藤島町の叶野幸衛さん(「サンサン・畑の会」会長)から紹介していただきました。

□13年度、学校給食用の豆腐・生揚げ・おからの原料に地場産大豆3.2トンを使用。価格差補填(町補助金)345千円。地場産農産物(加工品含む)は従来6品目だったのが19品目まで拡大。

□14年3月に新しい給食共同調理場「ふれあい食センター/愛称:サンサン」(学校給食1,220食、福祉給食210食)の設置に伴い、「可能な限り、地場農産物を活用していく。」とい方針が打ち出された。それに合わせて生産者組織「サンサン・畑の会」(現在は17個人、4団体)が誕生。

□1.会員ごとの年間野菜納入計画書の作成
 2.全体の納入計画書作成
 3.センターに提出
 4.献立樹立(前月20日頃)
 5.翌月の地場産野菜必要数量の確定
 6.センターから会員へ必要数量通知
 7.納品(当日)

□14年度、納入品目25以上。数量約12.4トン。
地場産が5割を超えるものは、ほうれん草、白菜、長ねぎ、トマト、馬鈴薯、小松菜、枝豆、モロヘイヤ、にんにく、生しいたけ、とうもろこし、アスパラ。

□サンサン職員との交流(試食会、圃場視察など)や、学校における児童生徒との交流給食会を実施。

□農業者としての魅力は、給食をとおして子供たちから手づくりの野菜を食べてもらえる。そして、「おいしい」と言われることの喜び。
 納入単価は、年間を通して固定のもの、市場動向によるものの2通り。いずれも相談のうえ単価設定。

□給食で使用する野菜は45種類程度だが、多品目野菜の栽培による供給品目・数量の拡大などが課題。

叶野さんはOHPを使って報告


交流サロンでは農産加工品が展示されました


酒田飽海地区からは、大豆パンまめっこちゃん、黒豆甘煮缶八千代の黒まめ、たこ飯のもとなどが出品。

鶴岡田川地区からは、豆乳プリン、切り干しまんじゅう、おからドーナツ、そばかりんとうなどが出品。

パネル・ディスカッション

「安全・安心な県産農産物の提供と地産地消の推進について」をテーマに各界の代表者による意見交換が行われました。

□表示は正しいと思ってきた。しかし、一連の事で色々知ることができた。環境保全や残留農薬と土壌の改善を望む。そのためには厳しい法整備も必要。消費者も見た目にこだわるなど、わがままな面があった。それから農業者全てがエコファーマーになって欲しい。(松岡由美子 県消費生活団体連絡協議会長)

□今般の無登録農薬問題のことは「大きな事件」として捉えた。農薬の適正使用に係る研修等も行ったが、あいまいな点があったのも事実。対応策としては研修を重ねると伴に、一人一人が責任ある農業者であることを自覚することと、減農薬・減化学肥料を通した土づくりが大事である。(堀 周子 県指導農業士)

□以前からあったごまかしや不祥事が顕在化しただけ。
 磯部理念(「良い食品の4条件」安全で安心して食べられることごまかしのないこと味の良いことC品質に応じた求めやすい価格であること
 「良い食品を作ることに携わる者の4原則」@材料の厳選 A加工段階での純正 B一徹で時代環境に曲げられることのない企業姿勢 C消費者との関係重視、99%消費者という立場の自覚)を紹介。理念と利害がぶつかったら理念を優先。(大沼八右衛門 株式会社大沼取締役社長)

□農協関係の不祥事が相次いだが、原点に返り、二度と起こさない。農産物安全安心推進本部を発足させた。全市町村に系統の直売所を設け、一村一品のように、それぞれの直売が何か一つ挑戦するようにしてみたい。(佐藤晴登 県農業協同組合中央会長)

□行政も今回の無登録農薬問題には的確に対処できなかった。これを教訓とし、新たな検査システムを作る。機材や人材育成などに費用は掛かるが信頼回復のために万全を期したい。しかし、それでも全てに目が行き届くとは限らないので、馴染まないかもしれないが内部告発も必要かもしれない。耳に痛いことであっても多くの意見を出して欲しい。
 ところで国の自給率は40%と言われている。つまり60%は海外に依存しているわけだが、その分入り込む余地があると考えれば、まだまだ農業には可能性がある。農業経営が厳しいのは十分承知してるが、側面支援を行政やJAで行うので、特に野菜については生産目標を作って取り組んで欲しい。(高橋和雄 県知事)

□生産者は、規格ものは流通に出し、はじきものを自家用として食べている。虫が食べるくらいだからおいしい。しかし、それでは消費者には買ってもらえない。生産側から情報発信が必要。そのためにも基本である記帳が本当に大事である。
 学校給食における取組みは、酒田市では試験的に一カ月間(平成14年11月に市立琢成小学校で実施)11品目の野菜について実施したが、業者と違って、どんな要求にも全て応えられるわけでなかった。地産地消・旬の意味を給食側からも分かってもらわないと難しい。また、わずかなものを決められた時間に納めるという大変さを経験した。今後は業者も巻き込んで進めることが必要だと感じた。(堀 指導農業士)
以上、現場からペロリンがお伝えしました。

パネル・ディスカッションの様子




農産加工品展示コーナーで大豆パンまめっこちゃんを試食する高橋知事(右)と、説明する東平田さくらグループの荘司代表(左)。このパンは、2月24日に地元の酒田市立東平田小学校の給食にも出されました。

当日、関係者に出された「はえぬき弁当」
お品書きも添えられていました。


細野県農林水産部長にはBSEに始まり、無登録農薬、残留農薬、カドミウム問題など波瀾続きでしたが、今日は笑顔でツーショットに応じていただきました。



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