3月12日 ペロリン 「庄内アグリベンチャーセミナー」を受講する

 3月12日に庄内総合支庁講堂で「庄内アグリベンチャーセミナー/庄内総合支庁主催」が開催されました。地産地消サポーターの方にもご案内したのですが、第一部には100名、第二部には農業者の方を中心に60名の参加がありました。
 山形県は、農産物の加工による商品開発と販売など、新規分野にチャレンジする意欲的な集団を支援するために「山形県アグリベンチャー支援事業」を展開しています。今回のセミナーはその事業の一環として開催されたものですが、マーケティング戦略について学びました。

- - - 第一部 - - -
第一部では株式会社清川屋企画本部長の阿蘓淳一氏から、「我が社のネット販売への挑戦」と題した講演がありました
ネットショップの勝ち組「清川屋」さんに学ぶ
清川屋(本店/鶴岡市宝田)の近況
1998年: 情報システム室を新設
2000年: ネット企画室を新設、インターネットモール「楽天市場」に出店開始
2002年: 楽天市場ショップオブザイヤー2001フードジャンル賞受賞
2003年: 楽天市場グルメ大賞2001全国第1位受賞、ゆとり都山形イノベーション大賞受賞

警鐘!山形米の終焉、だだちゃブランド崩壊
全農を通じて山形の米は大手コンビニに6万6千トン出荷するという話を聞いて、山形農業はピンチだと感じた。何故なら契約した一年間は売り先が決まったわけだが、二年目以降は更新のための交渉が大変になると思われる。仮に決裂した際に新たな取引先を探すのは大口なだけ一層困難が予想される。
だだちゃ豆ブランドもこのままでは2〜3年で崩壊するだろう。今では東京でも大阪でも買えるようになってしまった。輸送を考えればもぎたての味ではないし、量的にも出回り過ぎている。売れるからどんどん売るというのではブランドを維持できない。

キーワードは感動を創り出す「とんがり!」
横並びで皆が良くなるように、というのが間違い。それから、安売りではなく自分たちの価値を高めることが大事。
清川屋では限定販売によって買ってくれるお客様を、お姫様、主役、勝利者にする演出をしている。そのためには何か一つでもとんがり(その商品の良さ)が必要。例えば五つの項目のレーダーグラフを思い浮かべてほしい。万遍なく五つが良いに超した事はないが、それは至難の業である。また、五つがそこそこというのも特徴が見えなくなってしまう。だから、五つの内どれか一つでいいから最高点(とんがり)が欲しい。
自分がどうありたいか(夢・とんがり)を描き、アクションプランを立てて、本気で実現を思うこと。そして即、行動。不景気とはアイデアを出した人しか生き残れない時代。不景気でのマーケティング戦略は、買う気のない人にも買わせる知恵である。
清川屋のヒット商品になったチョコレートケーキ「ミキュイ」は一年半前に1,500円で酒田で売り出したが、全く売れなかった。それがインターネットでうまく宣伝し、そして口コミで広がってブレイクした。現在は1,980円で限定販売しているが、あまりの反響のためオークションに踏み切った。
あと5日残しているが今日現在で最高6,990円の値がついてしまった。良い商品でも存在を知ってもらえない、買ってもらえないなら無いのと同じこと。
先ず食べてもらうことが必要。そのためには可能な範囲で小さくし、2回目以降買っていただけるかが勝負になる。
地元の農家から「俺の米は魚沼のコシに負けてない」という言葉を聞くが、言い訳や出来ない理由、愚痴を言う前に、高く売れる米を作ってほしい。「とんがり」という事では「おにぎりにしたら日本一の米」、「カレーライスに合う日本一の米」なんていうのもおもしろい。

会場の様子



講師の阿蘓淳一さん




- - - 第二部 - - -
夕張メロンと庄内砂丘メロン、あなたならどちらを買いますか?
第二部では「農産物を使った商品開発と販路開拓」と題して有限会社ティップス代表取締役の加藤恵子氏から講話と演習をしていただきました。
出来てしまったものを売るというのは大変。買う人が欲しいものを開発すべき。そのためには消費者の気持ちで考えるか、直に聞いてみればいい。
美味しければ売れると言うのはただの思い込みに過ぎない。良いものは当たり前。それでは、同じように美味しく、ただし値段は夕張メロンが庄内のより高いのに、大多数の人は夕張メロンを選ぶと回答した。それは、買う人がメロンを贈られて喜ぶ相手のことをイメージするからです。

商品開発のプロセス
1. 商品アイデアの収集(常日頃意識していればヒントは身近にいくらでもある)
2. アイデアの吟味(イメージを書くことで形にしてみる)
3. 商品コンセプトの策定(消費者が幸せになれるもの)
4. マーケティング戦略(市場調査のようなマーケットリサーチに限定したものではなく、市場のニーズを知り、それを商品開発に活かすといった、売れる仕組みづくりのこと)
5. 事業経済性の分析(儲かるかどうかの試算)
6. 試作品の開発
7. テスト・マーケティング(実際と同じように売り場に並べてみる)
8. 商品開発の最終決定(1〜7のプロセスを踏んでようやく決定するもの。しかし、これを早い段階でしてしまって失敗するケースが多々見受けられる)
9. 生産

事例紹介とマーケティングのポイント
鶴岡市の伊藤さんの場合:農業者として子供たちに伝えたいこと、教育の場での社会貢献をしたいとの思いから、3年掛りで学校教材に「大豆ポット」を納入している。ポットの仕入れに当たっても業者に思いを伝えることで安く仕入れることができた。
ヒット商品が出ても他社が真似してくると価格競争や供給過剰に陥る。対策としてはラインナップ化を図るということもある。
卸や問屋が儲からないような商品では本気で扱ってはくれない。また、価格勝負だと小売店の利益も少なくなるので、やはり扱いは弱くなる。
包装資材から広告宣伝費も含め、きちっとした原価計算をした上で利益率の高い商品を追求する。
ターゲットを絞らないと、結局誰にもヒットしないもので終わってしまう
価格設定には積上げ方式ではなく、付加価値方式を勧める。製造原価+流通経費+付加価値(消費者が決定)

市場の把握に重要なポイント
市場の性格を理解する(市場の規模、成長率の把握、細分化状況の把握)⇒ターゲットがはっきりすれば市場が見えてくる。
ライバル会社を理解する(ライバルはどこか?ライバル社の市場戦略は?)⇒例えば大豆栽培キッドに対して、キノコ栽培キッドもライバルに成り得る。敵を知れば戦略が立てられる。
自社の理解を深める(自社の規模、シェア、実績、商品の特徴)⇒己を知れば戦術が決まる。

ペロリンへのアドバイス
ペロリンを一人でも多くの人に知ってもらうには、邪魔にならないような小さなキャラクターグッズを作って、全ての商品に付けるとか、おまけとして大量に配ると効果的。
シールを作ってくれれば貼ってあげるという方もいましたし、汎用性のあるチラシであればギフトの中に一緒に入れてあげるという方もいらっしゃいました。


 ペロリンを多くの人に知ってもらい、愛されてもらうことでペロリンマークの付いている山形県産の商品がたくさん売れることを望んでいるのですが、そうするとターゲットはスーパーなどに買い物に来る主婦層やキャラクター商品を好む子供たちということかなぁ。
 あとはどれだけ本気でペロリンを知ってもらい、愛されるキャラクターにするかのマーケティング戦略ということか。ん…、ペロリンそのものは三角形みたいに三つもとんがっているんだけどなぁ。さて、さて…

以上、ペロリンのセミナーレポートでした。




講師の加藤恵子さん




事例紹介する伊藤さん



演習として参加者それぞれに「アイデアシート」を記入していただきました。一人ひとりのアイデアシートを見て回る講師。中にはじっくり耳を傾けるシーンもありました。


今回は短時間のため突拍子も無いようなアイデアはでてきませんでしたが、講師からのアドバイスとして「いろいろな業種や年代の人と付き合うことでヒントがもらえることがある。農業者の方には是非、商業者の方と付き合うことを勧めます」とのことでした。



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