
享保年間には全国総量の40%を生産
かつて女性の唇を染め、衣装を彩る紅のもととなった紅花。山形県では15世紀半ばから栽培を始めた。江戸時代に質・量とも日本一の産地に成長し、享保年間には全国総量の約40%を占めるに至る。最上川沿いの肥えた土地が主産地だが、朝霧の立ちやすい気候が、トゲのある紅花を摘みやすくしたという。
「眉掃を俤にして紅粉の花」の句は、芭蕉が奥の細道の旅で詠んだもの。山形の紅花の繁栄ぶりがうかがえる。紅花交易は、上方との文化交流面でも大きな役割を果たし、県内各地の史跡や資料館が、当時の記録をとどめている。
近年見直される自然染料の優雅な美しさ
明治に入ると化学染料が台頭し、紅花生産は急激に衰退。しかし戦後、山形県を代表する花として再び紅花が注目され1982年、山形県の県花に選定された。近年は自然染料としても見直され、伝統製法で作られた紅もちや、観賞用切り花も出回っている。
紅花の種子からとれるサフラワー油は、リノール酸を多く含むことから、コレステロール過多による動脈硬化症の予防に有効とされる。また乾燥させた花びら(乱花)も、漢方では冷え性や肩こりなどの血行障害の治療に用いるという。
紅花染めは、気の遠くなるような作業工程を経て完成する。しかしその色合いは深く優雅で、しっとりと美しい。
★主な産地★
山形市・河北町・白鷹町・ほか
★花言葉★
包容力、熱狂、夢中
★収穫時期★
7月中旬〜8月上旬

