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柿 品目●果実 干し柿
 
品名●柿

干し柿
蔵王おろしの風がつくる。古里の郷愁、山形の秋の風物詩。

干し柿
まるでのれんの様に連なった『紅干柿』は1連に32個。干すと重さは4分の1〜5分の1に。

干し柿
何とも深みのある味わい。上質の飴のこうばしさに、熟度のある柿の香りが加わったもの、とでも言おうか…。

干し柿
薄く衣を付けての天ぷら・大根なますなど、料理の素材としても重宝する。
鳥が運んだ柿の種

 上山市は、県内でも伝統的に干し柿が作られているところである。紅柿は『紅干柿』、平核無は『蔵王つるし柿』の名称で、県内はもとより、北海道から関西地区までへと広く出荷されている。上山市関根地区がルーツの紅柿はその歴史も古く、約300年前にさかのぼる。当地の名主、川口久右衛門宅に鳥が偶然種を運んできた。それがなんと柿で、早速植えて実を城主に献上したところ大いに喜び『紅柿』という名を賜ったという。鮮やかで美しい赤橙色が、その名を表している。
 そもそも干し柿は、昔から自家用に各家庭が作っていたが、戦後の、甘いものがない時代に特に珍重され、産地化していった。しかし柿は、隔年結果という性質を持つ。表年・裏年とも言われ、豊作の翌年は収穫が激減してしまう。こうした変動の著しさが、生産者の一番苦労するところだ。

渋い柿ほど甘い干し柿に

紅柿も平核無同様の渋柿。それもハンパな渋さではないといわれるが、渋の成分タンニンは、干すことで封じ込められる。そして渋い柿ほど干し柿になった時、格別の甘さになるとも…。収穫期は11月1日〜10日頃。皮むきは遅くとも11月末までには終わらせる。むいた柿はのれんのように仕立てられ、『はせ乾燥』する。干し場の条件は風通しで、特に蔵王おろしの風が当たり、また地下水の高くない場所がいい。地下水の蒸発による湿気も干し柿は嫌うからだ。2週間くらいかけて水分を抜いたら、今度は仕上げに室内乾燥をする。練炭を使い、乾いた熱でじっくりと乾燥させると、今度は表面に白粉がふいてくる。これが糖分の結晶で干し柿のおいしさを印象づけるものだ。外側はかたく、しかし中はトロリとなめらかな極上の干し柿はこうした手間の中から生まれる。干し柿はビタミンA・Bなどを多量に含み、栄養価も高い。 蔵王おろしの風に揺れる干し柿は、まさに山形の晩秋の風物詩。日本の懐かしい古里を思わせる光景だ。

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