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船頭たちが鍋を掛けた『鍋掛松(なべかけまつ)』は大正6年まで残っていた。現在は三代目が中山町ひまわり温泉わきに残る。

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 元禄より少し前の1600年代半ば。山形市の西北に位置する中山町長崎付近が、当時の最上川舟運の終点だった。遠く京の都などから物資を運んだ舟は、酒田経由で最上川を上りここへ到着する。着いた荷を引取りに人足たちが集まって来るが、電話など無い時代、船頭たちは人足が来るまで何日も待たされる。退屈しのぎに近くの老松に鍋を掛けての野宴…。船着場の近くには里芋の名産地の小塩部落があり、頼んで売ってもらった里芋と積み荷の棒タラなどを鍋で煮て食べたことが、そもそもの芋煮のルーツだと伝えられている。1800年代の始め文化・文政時代には、山形県に移り住んでいた近江商人たちが、ニシンと里芋を煮て紅花取引きの慰労会を行ったとの記録があり、その後、明治に入って街の粋筋たちが、このような楽しみ方を身近な河原へ持ってきたとされる。同25年頃から一般にも定着し、山形歩兵32連隊の兵たちが「芋煮会」と名付けたとの話も残る。

平成元年より始まった、日本一の芋煮会フエスティバル。まだ残暑の残る9月第一日曜日に、市内の馬見ヶ崎川(まみがさきがわ)の河原で行われる。
●山形市観光協会 TEL 023-641-1112


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 芋煮鍋に牛肉を使うのが一般化するのは昭和に入ってからで、養蚕農家が、繭業者の経費持ちでの芋煮会の際、「どうせなら贅沢に牛肉を!」と業者におごらせたのが最初だと言われる。さて、県下各地に芋煮会が伝播されていくのだが、その先々で微妙に具が変化しているのは面白い。土地柄が中味にも現れていて、それぞれに「○○でなければならない!」といった譲れないスタイルもあるようだ。何はともあれ山形県では、新年会・忘年会同様『芋煮会』は必然であり、やらなければ絶対に物足りないもの…でもある。同じ釜の飯…ならぬ芋煮鍋をつつくことで、家族・職場・仲間たちと、より絆を深め合うという山形県式の楽しいコミュニケーション手段、それが芋煮会である。


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