

炎天下、砂丘地では連日収穫作業が行われている。たっぷりと甘みを抱えたメロンがたわわ。
露地系ネットメロンの代表格で全国的な評価を獲得
メロンが日本に入ったのは明治初期でアメリカから伝わった。ただし定着したのは、その後ヨーロッパから導入した温室栽培メロンで、手間のかかるアールスメロンだ。しかし、露地ネットメロンは比較的栽培が容易で、良質な品種の登場により、品質の高さが人気を呼んでいる。
夏には南国に負けない強い日差しが照りつけ、東北の湘南ともいわれる山形県庄内浜。その松林に囲まれた砂丘地では、大正7年からメロンが植えられた。本格的な栽培は昭和初期からで、カリフォルニアの露地栽培を手本とした。しかし当時は技術が追いつかず、時代が戦時下に入ってしまい、中断を余儀なくされ た。
戦後は、地元で育種した新しい品種「ライフ」を栽培。その後昭和37年にプリンスメロンが発表されると、さっそく庄内でも導入することになる。
このプリンスメロンの味が全国で評判となり、昭和42年頃にメロンの産地としての地位を固めた。この後、昭和50年代になるとアールスメロンを親に育成された露地ネットメロンの新品種がどんどん登場。53年頃から作付けされたアンデスメロンは、京浜市場で高い評価を得、以来、ずっと主流を占めることに なった。
また平成10年にデビューした、JA鶴岡の「鶴姫」と赤肉の「鶴姫レッド」も人気が定着。アンデスの甘くとろりとした肉質に対し、肉質がしっかりとして爽やかな甘さが特徴だ。日持ちがいいことから関西方面にも多く出荷されるが、関西では赤肉の人気が高いことから、青肉の「鶴姫」に比べ、「鶴姫レッド」の方が多く作られている。さらに赤肉では「夏のクインシー」も評価が高い。
温室のアールスメロンも含めた安定生産体制
露地メロンの生産量で、山形県は全国第3位。時期的には、真夏のメロン市場を山形県が支えていることになる。
近年は、これらの露地ネットメロンのハウスによる促成栽培や抑制栽培に加え、さらにアールス系品種のハウス栽培も盛んになった。特に山形県育成オリジナル品種「山形メルティ」は品質の良さが注目されている。こうして山形県では、ネットメロンとアールス系メロンの両方の品目を、ハウスも利用しながらの安定 生産体制で送り出している。
鶴岡市のメロン産地に向かうと、途中いくつもの大きな酒蔵を見かける。蔵元が居並ぶ大山地区だ。聞けばこの一帯には良質な地下水があり、これが銘酒の源になるという。そして隣接する畑では、同じ地下水でメロンが育てられているというから、なんとも贅沢な話である。
「水はけの良い砂丘地はメロンには好都合。水分が多いと、メロンが吸収して糖度が下がってしまうのです。そして日中の強い日差しと、夜の涼しさ、そして最高の地下水。いくつもの条件が合致したわけです」と生産者は語っている。
ところでメロンの表面のネット(網目)は、実が急に生長するためにできる、実割れのヒビが癒合したもの。「丸くきれいに太っていけば、ネットも細かく全体に均一に入る。これがいいメロンの見分け方です」とのことだ。

1本の苗からツルは2本、それぞれに2個ずつ実をならせる。計4個が一株からの収穫。砂丘地帯は水はけも良好で、メロンははち切れんばかりに育っている。
★主な産地★
酒田市・鶴岡市・遊佐町・山形市・三川町・ほか
★主な品種と収穫時期★




